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おろおろと

おとといもその前の日も雨の中を濡れて歩いた。
グレーの帽子をかぶっていたがしっとり濡れた。冷たかった。寒かった。
その冷たさと寒さを私は欲していたのかもしれない。
死に急いでもいないし死を恐れてもいない。私は。


無念の死。
無念の民の死。
殺人。
国家の殺人。


には 泣かなかった私も泣かずにはおれない。
おろおろと泪を流す。

一列に土葬されるご遺体。
あの土には帰りたくなかろうに。

には 泣かなかった私も泣かずにはおれない。
おろおろと泪を流す。

寒すぎる春。雪降る春。
為すすべなく凍えた指を見つづける。

はしゃげ。笑え。じゃれろ。おどれ。
子どもらよ。

泣け。わめけ。すねろ。あばれろ。
子どもらよ。

頑張ろうニッポン。立ち上がれニッポン。
と みなが言う。                                                  しかし わたしには空々しく嘘っぽく。
27000人の死者や行方不明者を想うとき絶望せずにはおれないのだ。

おろおろと泪を流す。こと。
しかできないのだ。

だからわたしは水道の水も飲みます。
雨の中 かさもささずに歩きます。
おろおろと。


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