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冬のヒマワリ

きみたちとけふあふことができたので
わたくしはこの巨きな旅のなかの一つづりから
血みどろになって遁げなくでもいいのです

宮沢賢治「小岩井農場」の一節

そうです。そうです。
今わたくしはきみたちとあうことができた。

そうです。そうです。
わたくしは血みどろになって遁げなくてもよいのです。

血みどろになることは、どこかで望むところではあるけれど、遁げなくてよいのです。
きみたちと会うことができたから。

そのかわり、水びたしになりましょう。
きみたちに会えたから。

冬に咲くヒマワリのように、天に向かってこの顔をあげましょう。
本当に咲いているのです。冬のヒマワリ。
わたくしははっきり眼を開けて歩いています。

そうです。そうです。
ときどきかたむくことはあるけれど、
はっきり眼を開けて歩いています。

叫びたいような冬の夜だって、
凍えそうになるときだって、
けっして、遁げることはないのです。

そうです。そうです。
きみたちに会えたから。


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ワタナベ

言葉の力よ、と。
by ワタナベ (2008-12-16 10:05) 

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