そのまま
白い画面をじっと見つめる。頭の中も真っ白で、なにも言葉が浮かばない。霧の中。ひたすらに店を開けている。ひたすらに。そう決めたのだからそうしている。引っ越して一か月の月日が流れた。とりあえず、段ボールは全部開けた。中身を雑然と置くべき場所に置いた。三太郎が、網戸を3枚破いた。脱出した。それから窓を開けることができなくなった。換気扇をずっと回している。窓を開けることのできない息苦しさ。だけど、ネコさん達だって外に出られないのだから、私も窓を開けられない息苦しさに耐えるしかない。中延の街は忘れた。思い出す暇もない。新宿生まれなのに、新宿は異国だ。人の住む所ではないのかもしれない。他所から人がやってきて去っていくところ。私は私の一本道を歩く。芝居はするよ。そのための一本道なのだから。今年が終わるまでに二本の芝居をするよ。淡々とその日は来るのだろう。私は淡々と、そして丁寧に芝居をしたいと思っている。そんな先まで考えなくてていい。ご飯を食べて今日一日の元気を貯めよう。そのまま。そのまま。
2009-11-02 19:03
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うむと唸りました。
by watanabe (2009-11-03 12:49)